トーキョーグール Re: 第6巻

東京喰種-トーキョーグール- 愛読漫画

東京喰種-トーキョーグール-石田スイ先生のベストセラー作品です。

ご存知の方も多いと思いますが、簡単に内容をご紹介します。
ネタバレも多いかと思います。閲覧にはご注意を。

~閲覧注意ネタバレあり~

【東京喰種】
平和な大学生活を送っていた主人公・金木研は事故により
喰種(グール:人肉のみが栄養源になる人の形をし、人間捕食・同族との
戦闘に使う赫子(かぐね)と呼ばれる器官を体内に隠し持つ)の臓器を移植される。
その結果、喰種としての食性となり、人間の食べ物を受け付けない体となってしまう。

人として生きてきた金木は人肉を口にすることに強い嫌悪感・拒否感を露わにする。
同時に人間社会に溶け込む喰種の存在を知り、困惑・苦悩する。
喰種としての限界を迎えた金木は喫茶「あんていく」の従業員・霧嶋董香に
助けられ、紆余曲折を経てあんていくの従業員となる。

あんていくはかつて人間と喰種との争いに身を投じた芳村の運営する
人間社会に生きる喰種の助け合いが目的の店だ。
人に危害を加える事無く食料を手に入れ、人との共存を旨としている。

徐々に喰種としての生活と事情を知っていく金木。
あんていくに務める喰種との関係や、自身の立場に悩んだ結果
喰種と人間との間に立てるのは自分だけだという意志に目覚め、
喰種も人間も助けるための生き方を模索する。

しかしながら喰種の対策・殲滅を行う機関CCGや、
強硬姿勢の喰種集団アオギリの樹との抗争に巻き込まれる。
その中で自身の弱さが原因で起こった過去や現在を突きつけられ、
平穏を得るために武力を行使することを選択する。

あんていくを離れ、アオギリの樹の壊滅を模索し、
意志を共にする喰種と情報収集や強硬な調査を行い、
アオギリの樹、あんていく、そして自身を運命づけた事故について
喰種の真相に近づいていく。

そして、再会した霧嶋董香の金木を心配する気持ちや、
CCGによる捜査の手があんていくにまで及んだ時、
金木は自らの行動を悔い、あんていくを守るための行動に出る。

あんていくの大きな戦力となり、助勢に入るも、CCG最強を誇る
有馬貴将によって金木は駆逐される。
あんていく・CCG共に多くの死傷者・不明者を出し、
東京喰種は完結する。

【東京喰種 Re:】
新人CCG捜査員・佐々木琲世はクインクスと呼ばれる、
喰種の捕食器官・赫子を移植された試験運用中の捜査員の指導員としてCCGに所属している。

佐々木琲世はあんていく掃討作戦でCCGが得た戦果の一人、金木研の記憶を消去した存在である。

過去20年の記憶が無い佐々木琲世は自己の存在価値を見出すため、
指導員の役目を有馬貴将の下で必死に果たそうとする。
また、同時に佐々木の存在を喰種と認識する捜査官からの冷たい目にも晒される。

一方アオギリの樹は旧あんていくのメンツを加えた組織になっており、
金木研が記憶回復した際の居場所となれるよう、新たな「あんていく」として
喫茶「Re:」を霧嶋董香・四方蓮示が運営を行っていた。

あんていく掃討戦から時間が経ち、S級~の駆逐レートとなった旧あんていくメンツとの
佐々木との捜査上の鉢合わせは必須で、大規模作戦時や、通常捜査の時に佐々木の過去が徐々に記憶から回復を始める。

佐々木は自身が喰種であることを薄々感じながらも、
現在の立場とのギャップからそれを受け入れられないでいた。
指導員として預かった捜査員に自身ができること、を模索していた。

しかし度重なる過去を知る喰種との対峙で自身の精神的・肉体的強さを
引き出さねばならない状況下に置かれ、佐々木琲世としての生き方に終わりを告げることを決意する。

佐々木は金木研の記憶を取り戻し、自身の「隻眼の梟を討つ」という目的を思い出した。
金木研として、佐々木の地位を利用しCCGに残り、「隻眼の梟」である高槻泉を追い詰めていくことに尽力する。

~東京喰種 Re: 6巻まで~

【感想】現在東京喰種からRe:まで発刊されています。
人間と喰種という設定の中でただ戦うだけではない人間関係や
それぞれの思惑、感情、生き方が描かれており、よくある絶対悪を
やっつけていく系の漫画とは全く異なる点がとても印象的です。また、石田スイ先生の独特のタッチの絵は他にはない特徴となっており、
東京喰種に華を添える魅力となっています。

「東京喰種 ZAKKI」
東京喰種トーキョーグール【zakki】電子書籍版(立ち読みできます)

また、原作とは違う方向性でストーリー展開されているアニメ版も
パラレルワールド的な要素で楽しめる作品となっています。

各巻で気になるワード・台詞がありますが、今回発売された「東京喰種Re:」6巻では
高槻泉の「わたしたちとても似ているもの」という言葉が印象的でした。
東京喰種で展開されるストーリーにはすべての登場人物にその立場にいる意味があり、
背景が緻密に描かれています。

それを踏まえると、現在金木研がたどっている道は、半喰種となった金木自身が新たに
開拓していく道ではなく、すでに同じ道を通った(あるいは類似した道)者が
存在しているように思えます。

個人的にこういったストーリーで魅せてくれる石田スイ先生の作品は
とても興味深く、楽しいと思います。

【〆】
今回は6巻発売の記念として、また、ストーリーの大きな変化の点として
簡単にあらすじをご紹介しました。
各巻の細かい点の考察とかはまた気が向いたら書きたいと思います。